RGBとCMYK・色の三属性について学ぼう

Illustrator

「パソコンで作って印刷をしたら色が変わってしまった
 いったいどうしたらいいのかわからない・・・!」


 デザインをするとき、よく「CMYKデータでください!」と「WEB用なので、RGBで」と指定されたりして、わかりにくくて困るときがありますよね。

 今回はそんなRGBとCMYKについてお悩みのあなたに、パソコンの色表現と印刷物の色表現の違いと対策方法をお伝えします。

RGBとCMYK・色の三属性について

 まず、RGBCMYKは、色の表現方法です。
 RGBは、コンピュータやテレビ・スマートフォン、タブレットなどで色を表現する際に使用されています。

 対してCMYKとは、印刷物をつくるときに必要な色合い設定のために使う色彩表現です。
 色の表現は、「光」による【光の三原色】方法と、「インク」による【色の三原色】に分けられます。

 「光源色」「物体色」ともいいますね。

 光源色は、電気や照明、ディスプレイ、その他にも太陽や炎などが発している色です。
 他にも、蛍の光やライブ会場などでファンの人たちが使うケミカルライトなども光源色にあたります。

 物体色とは、光を受けた物体が【反射】して発する色あいの「表面色」と、鉱物や水など、半透明なものを透過した光によってかわる「透明色」のことをいいます。

 私たち人の肌の色や髪の毛の色あい、植物・鉱物・生物はすべて「物体色」の中の表面色です。

 お味噌汁やスープなどのやや透明な液体などは「透明色」です。

RGBをもっとくわしく!

RGBのRやGは何?

 RGBは、それぞれの色の英語の頭文字をとったものです。

頭文字
RRED。赤色のこと。
GGREEN。緑色のこと。
BBLUE。青色のこと。

 RGBは、この赤・緑・青の光源を使い、光の強さを変えることで、様々な色を表現します。
 フォトショップなどのペイントソフトでは、レイヤー「スクリーンモード」で表現する方法です。

 3色の光が、明るく・強くなるほど、色が白くなる傾向があります。
 このような色の表現方法を、加法混合・加法混色と呼びます。

光源色の色彩表現は豊富

 RGBは、「光の3原色」と光の「強さ」で表現できます。

 この光の強さは255段階に分かれていて、
 R・G・Bすべて強さがMAXな状態が【白】として表現されます。

 255/255/255が白です。
 逆に「黒」の表現は、3色の光がまったく点灯しない状態、0/0/0番台で表現されます。

 このように光の強さ255段階×3色=約16百万通りの色を生み出すことができます。

16進数のカラーコード

 ブログやアプリなどのWEB上では、色の表現を16進数のカラーコードで表現できます。

 16進数とは、0~9の数字とA~Fの文字で0~256のパターンを作る表現方法です。
 0~9までは普通の文字として扱い、それ以上の文字11~16を英文字で扱います。

 例えば、10を16進数で表現すると、0Aになります。

10進数(もとの数字)16進数変換後
000
101
505
909
100A
110B
150F
1610
1711
000
256FF
16進数コード

 このコードをもとにRGBの255色の色合いと照らし合わせ、

配合のバランス実際の色
赤00/緑00/青00黒(000000)
赤FF/緑FF/青FF白(FFFFFF)
赤FF/緑00/青00赤(FF0000)
赤00/緑FF/青00緑(00FF00)
赤00/緑00/青FF青(0000FF)
赤FF/緑FF/青00黄色(FFFF00)
赤00/緑FF/青FF水色(00FFFF)

 と表現することができます。

参考サイト:原色大辞典 様

 

CMYKをもっとくわしく!

CMYKのCやRは何?

 CMYKは、シアンマゼンダイエローの3色のいろの頭文字を取ったものです。
 それに加えて、黒を合わせた4色がCMYKとなります。

 そして、このシアン(水色)・マゼンダ(赤紫)・イエロー(黄色)と黒の4色をプロセスカラーと呼びます。

 CMYKは、インクを使った印刷物での色合い表現に使われ、パソコンを使って作ったパンフレットや紙の表紙をつくるときに使用します。

 インクの原料は、鉱物や油によってつくられる顔料などです。
 このようなCMYKによる色表現は、混ぜれば混ぜるだけ【黒】に近づき、このような色表現を減法混合・減法混色といいます。

頭文字
CCyan(シアン):水色のこと。
MMagenta(マゼンダ):赤紫のこと。
YYellow(イエロー):黄色のこと。
KKey Plate:のこと。
CMYKの頭文字

Kは日本語の黒から取ったのではない?

 CMYは、シアン・マゼンタ・イエローの頭文字となっているので、Kは日本語の黒のK、またはBLACKのKから取ったと思われがちです。

 しかし、本来は印刷物の輪郭を明確にするために使われた印刷プレートの「キープレート(Key plate)」の頭文字であり、この印刷の版に黒インクが使われたことに由来しています。

 黒色を表すのに、ブラックのBと青のBで、間違えやすくなってしまうという理由もあります。

印刷時に色がくすむ

RGB→CMYKへの変換時におこること

 印刷物はインクによる「物体色」のため、光の色を表現できません。
 そのため、光で色を表現するRGBカラーは印刷物では再現できず、CMYKを使う必要があります。

 RGBカラーで印刷会社さんにデータを入稿しても、印刷物では色を表現できないため、パソコンで制作したデータとは違った色のものができあがります。

 全体的に色がグレーがかり、くすんで表現されることが多いです

 制作物と同じものを印刷するためには、印刷会社さんにCMYKによるデータ入稿をする必要がありますので注意しましょう。

銀色や金色はどう表現する?

 銀色や金色などのメタリックカラー、ラメ入りのキラキラしたホログラム加工などは、通常の印刷方法とは異なります。

 そのような色は、「特色(DIC)」と呼ばれ、CMYKとは別に特注で頼まなければいけません。

 自前で本を作ったりするときや名刺を作るとき、人とは違ったワンポイントでインパクトを持たせたい! といったときは、この特色を取り扱ったカラーチャートがありますので、それらをチェックしてから印刷会社さんに頼んでみましょう。

RGBをCMYKに変換する方法

 さっそく、実際にRGBデータをCMYKに変換する方法を見てみましょう。

Photoshop

 フォトショップでCMYKデータを作るときは、

新規→カラーモード→CMYK

 と選択しましょう。

 途中でCMYKモードにするときは、

編集→プロファイル変換→変更後のカラースペース→作業用CMYK

 を選択しましょう。

Illustrator

イラストレーターの場合、

新規作成→新規ドキュメントプロファイル→基本CMYK

を選択します。

 途中でCMYKモードにしたい場合は、

ファイル→ドキュメントのカラーモード→CMYKカラー

 を選択すればOKです。

Officeソフトでは画像データをCMYKモードに変換できない

 PowerPoint、エクセル、WordなどはCMYKモードに変換できないので注意しましょう。

 画像をCMYKモードに変更するには、Photoshopやクリスタなどのペイントソフトや、Illustratorなどのドローソフトが必要になります。

色合いの調整は「色相」「明度」「彩度」で行おう

 色合いは、色の三属性といわれる色相」「明度」「彩度によって表現されています。
 この三属性を意識することで、色合いの調整もラクになると思いますので、ご紹介します。

「色相」

色相環(カラーサークル)

 色相は、赤・青・緑・黄色といった色味を指します。
 そして、このような色を円上に配置して、色の変化をわかりやすくしたものを【色相環】といいます。

 よく言われる色選びのポイントは、この色相環をもとに、近い色合いの「同系」色でまとめる系か、お互いが目立ち引き立つ反対色「補色」系がオススメと言われています。

 この色相環に「白」や「黒」、グレーは含まれていません。

「彩度」

彩度

 彩度とは、色のあざやかさのことです。
 彩度が高いほど発色が良くなり、彩度が低いとくすんだ眠たい色になります。

 例としてあげると、
 【水彩絵の具】の筆の中に含まれる水分と絵の具の割合が、絵の具の含有量が高いほど色があざやかになり、くっきりとした表現となります。

 彩度は色相環の中にある「赤青黄緑」などの、色味を持つものの強さを表すときに使います。
 そして、このような彩度(色の強さ)を持つ色は【有彩色】と呼ばれています。

 白・黒などのモノクロ色はあざやかさなどは関係なく、「無彩色」に分類されます。

「明度」

 明度は、色の明るさを表します。
 基本的に、明度が高いほど「白」へ。明度が低いと、「黒」に変わります。

 同じ赤色でも、大人っぽいワイン色から、こどものおもちゃのような明るい色もあります。
 緑色でも、落ち着いた深緑から、新緑のような明るい緑色と明度によって違います。

【水彩絵の具】の例でいいますと、
 元の絵の具「赤・青・黄・緑」の中に、白や黒を加えたものが明度になります。

 印刷するときの「色見本」では、明度1~9までのことが多いです。
 明度は0黒、明度が10の色は白となり、色味のあるインクでは表現できない部分となります。

まとめ

光の三原色・色の三原色
  • RGBとCMYKは光源色と物体色に分かれる
  • RGBは光源色であり、ディスプレイやモニターに使われる
  • CMYKは物体色であり、おもに顔料などで作られたインクをもとに作られる
  • CMYKのKは黒を表す
  • RGBをCMYKにすると色がくすむ
  • 色合いの調整は「色相」「明度」「彩度」で行う
  • 色相とは、色の種類のことであり、赤や青・緑・黄色のこと
  • 明度は色の明るさを表し、高いと「白」く、低いと「黒」い
  • 彩度は色のあざやささを表し、高いほど発色がよく、低いとくすんだ色となる

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