デザインをしているとき、配色についてとても悩むときがありますよね。

そもそも色ってどうなってるのかな?
配色デザインってどうすればいいんだろう?
今回は、そんな方のために、色の基本についてお伝えしていたします!
色の基本と配色について意識すべき5選
色の基本

色は「光」によって生まれ、物体はその光を「反射」することで生まれます。
詳しい話は割愛いたしますが、この光そのものの色合いを【光源色】、モノに光があたり、跳ね返った光を【物体色】といいます。
このなかでも、光源色での表現方法を「光の三原色」。
インクや顔料などの、光を反射して見える物体の色で作り出されるものを「色の三原色」といいます。
光の三原色

光源色は、赤・緑・青の3色であり、人間が識別できる「可視光線」の範囲を指します。
この「赤・緑・青」を「光の三原色」といい、赤・緑・青の光を混ぜ合わせることで、色あいを表現する方法を『加法混合・加法混色』と呼びます。

赤+緑=イエロー
緑+青=シアン(水色)
青+赤=マゼンダ(赤紫)
赤+緑+青=白
となります。
カラーのスポットライトを想像するとイメージしやすいかもしれません。
3色の光が、明るく・強くなるほど、色が白くなる傾向があります。
色の三原色
色の三原色は、シアン(水色)・マゼンダ(赤紫)・イエロー(黄色)の3色のことです。
色の三原色は、インクを使った印刷物での色合い表現に使われ、パソコンを使って作ったパンフレットや紙の表紙をつくるときに使用します。

この三色を混ぜると「黒」に近づきます。
マゼンダ+イエロー=赤
イエロー+シアン=緑
シアン+マゼンダ=青
マゼンダ+イエロー+シアン=黒
このような色の三原色による色表現は、『減法混合・減法混色』といいます。
色合いの調整は「色相」「明度」「彩度」で行おう
色合いは、「色の三属性」といわれる「色相」「明度」「彩度」によって表現されています。
この三属性を意識することで、色合いの調整もラクになると思いますので、ご紹介します。
「色相」

色相は、赤・青・緑・黄色といった色味を指します。
そして、このような色を円上に配置して、色の変化をわかりやすくしたものを【色相環】といいます。
よく言われる色選びのポイントは、この色相環をもとに、近い色合いの「同系」色でまとめる系か、お互いが目立ち引き立つ反対色「補色」系がオススメです。
この色相環に「白」や「黒」、グレーは含まれていません。
「彩度」

彩度とは、色のあざやかさのことです。
彩度が高いほど発色が良くなり、彩度が低いとくすんだ眠たい色になります。
例としてあげると、
【水彩絵の具】の筆の中に含まれる水分と絵の具の割合が、絵の具の含有量が高いほど色があざやかになり、くっきりとした表現となります。
彩度は色相環の中にある「赤青黄緑」などの、色味を持つものの強さを表すときに使います。
そして、このような彩度(色の強さ)を持つ色は【有彩色】と呼ばれています。
白・黒などのモノクロ色はあざやかさなどは関係なく、「無彩色」に分類されます。
「明度」

明度は、色の明るさを表します。
基本的に、明度が高いほど「白」へ。明度が低いと、「黒」に変わります。
同じ赤色でも、大人っぽいワイン色から、こどものおもちゃのような明るい色もあります。
緑色でも、落ち着いた深緑から、新緑のような明るい緑色と明度によって違います。
【水彩絵の具】の例でいいますと、
元の絵の具「赤・青・黄・緑」の中に、白や黒を加えたものが明度になります。
有彩色・無彩色
結局配色ってどうすればいいの?

配色の基本は「ベースカラー・サブカラー・アクセントカラー」
配色の基本は、「ベースカラー・サブカラー・アクセントカラー」の3つを選ぶことです。

それ以上カラーリングをすると、色彩情報がごちゃごちゃになってしまい、何を伝えたいのかわかりにくくなってしまいます。
- ベースは全体の7割。
- サブカラーは全体の2~3割。
- アクセントカラーは全体の0.5割が良いでしょう。
このアクセントカラーは差し色とも呼ばれ、ベースカラーがシックな色合いのときにとても映える配色方法となります。
代表的な配色方法
ドミナント・カラー(同色系統一)

ドミナントカラーは、色相環を似ている色でまとめた配色方法です。
とても統一感のある印象になります。
ドミナントカラーは、同系色の中でも「明度・彩度」を変更するやり方がよく見られ、特定の色によるイメージ表現を得意とします。
例えば、夏の涼しさを表す「水色・青」系統の配色や、赤・オレンジを使った「夕暮」「朝焼け」、黒と青を使った「真夜中」の表現などがあります。
ドミナント・トーン(トーン統一)

ドミナントトーンは、トーン(明るさや彩度)を似たものでまとめた配色方法です。
色相に幅がある補色などの反対色でも、このトーンがそろっていると統一感がうまれます。
よくあるトーン統一による配色表現は、淡い「パステルカラー」、大人シックな「ダークトーン」、鮮やかな北欧風「ヴィヴィッドカラー」などがあります。
トーンマップ
トーンとは、明度と彩度によって表現される配色グループです。
同系色でも、暗さや明るさ、濃さや淡さが違います。
これらのトーンをまとめてわかりやすくしたものをトーンマップといいます。
ト―ナル(中間色統一)

トーナルとは、中明度・中低彩度の中間色だけでまとめた配色方法です。
赤や青などの原色ではなく、中間色を中心とする配色方法ですので、穏やかな印象になります。大人っぽい落ち着きのあるクラシカルな配色デザインです。
トーンオントーン

トーン・オン・トーンとは、「トーンを重ねる」といった意味合いで、同じカラーの中で、色の明るさの差をハッキリとさせる演出方法です。
ドミナントカラー配色に近く、色合いに統一感があるので、とても大人っぽい印象を与えます。
また、明るさに差があることから、コントラストにも差があり、かなり明快な配色です。
カマイユ(類似色)

カマイユとは、色相・明度・彩度を少しだけ変更し、繊細な色合いを出す配色方法です。
カマイユは、一見してほぼ一色に見えるような独特な色使いを特徴に持ちます。
カマイユとはフランス語で「単色画法」という意味になります。
フォカマイユ(類似色)

フォカマイユは、カマイユよりもやや色相やトーンにバリエーションを増やした配色方法です。
フォカマイユとは、フランス語で「偽カマイユ」という意味になります。
カマイユと同じく独特な演出ができるのがフォカマイユの特徴です。
ウォームシェード(暖色統一)

ウォームシェードとは、赤・オレンジなどの「暖色」でそろえる配色方法です。
非常に明るく、暖かい印象になります。
クールシェード(寒色統一)

クールシェードとは、ウォームシェードとは逆に、水色や青などの「寒色」で統一した配色のことです。
涼しさや冷たさを感じさせる配色デザインにすることができます。
ナチュラルハーモニー

ナチュラル・ハーモニーとは、自然界の光の色にのっとった配色方法です。
自然物は光に当たると、明るい色合いを放ち、「黄色」に近いなります。
また、影や陰など、暗い部分は「赤紫」に近くなります。このナチュラル・ハーモニーを使うことで、とても自然な印象を作ることができます。
コンプレックスハーモニー
コンプレックスハーモニーとは、ナチュラルハーモニーとは逆に、明るい色を「青紫」系に設定し、暗い色を「黄色」に配色することで、自然物ではない・サイバー・近未来的な演出する配色方法です。
ナチュラルさな印象を与えたい場合は逆効果ですが、斬新で新しいカラーイメージを演出することができます。
ビコロール

ビコロールとは、コントラストがはっきりとした2色配色のことです。
ビコロールとはフランスで「2色の」という意味になります。
ビビットトーンの補色・反対色的なカラーリングや、色合いに明度差のあるトーンの配色方法となります。
日本国旗にみられる、赤と白のようなビビットカラーと無彩色、白と黒のようなモノクロの配色方法もあります。
トリコロール

トリコロールとは、色や明度・彩度にとても差があり、3色すべてにコントラストのある配色のことをトリコロールと呼びます。
トリコロールとは、フランス語で「3つの色」という意味です。
フランス国旗の「青・白・赤」やベルギー国旗の「黒・赤・黄」などがあります。
白や黒などの無彩色を入れると、より明快な印象を与えることができます。
その他の色のいろいろ
進出色と後退色
進出色と後退色とは、同じ平面にあっても前に飛び出してみえたり、奥にさがってみえたりする色のことです。
赤や黄色などの暖色系が進出色であり、手前に飛び出てみえます。
逆に、青・緑・紺などは後退色と呼ばれ、奥にさがっているようにみえます。
膨張色と収縮色

痩せて見えたいなら「黒」の服を着るとよいとよくいわれます。
逆に白を着ると、太ってみえるともいわれますね。これも一種の「錯覚」であり、色の明るさによって起こる現象です。
明度の低い色は「収縮色」、明度の高い色は「膨張色」といいます。
陽気な色と暗い色

明度と彩度ともに高い、いわゆるビビットカラーは陽気な印象を与え、明度・彩度ともに低い色あいは陰気な感じになります。
暖色が陽気な色、寒色が陰気な色合いになりやすいです。
興奮色と鎮静色

赤や黄色などの暖色は「興奮色」といわれ、交感神経を刺激し、体温や心拍数を上げる効果があります。
逆に青系などの「寒色」で明度や彩度が低い色合いは「鎮静色」といわれます。鎮静色は体温の低下、痛みの暖和をもたらし、精神的に落ち着かせる作用があります。
派手な色と地味な色

ヴィヴィッドカラーに代表される彩度が高い色合いは、とても「派手」な印象を受け、逆に彩度がとても低いと「地味」な印象を受ける。
重い色と軽い色

明度が低いと、色合いに「重い」印象を受けます。
逆に、明度がとても高いと、羽のような「軽い」印象を与えます。
強い色と弱い色

強い色と弱い色もあります。
彩度が高く、濃い色合いほど色は強くなります。逆に、淡い色はか細く・繊細なイメージを与えます。暖色のピンクも、かなり彩度・明度が薄まると、色相環でのインパクトを強めず、柔らかい印象を与えます。
柔らかい色と硬い色

淡い柔らかい色と暗くハードな色合いもあります。
色とは何か?
色とは「眼と脳が作り上げた感覚」です。
正確には、目に入った【光】情報と、脳の判断機能によって認識されます。
わたしたちの目には、光を受け取る細胞(これを光受容細胞といいます)があり、その情報を脳にとどけて、私たちは「そこにモノがあること」を確認することができるのです。
この色の情報を感じ取るのは、「すい体」という色を識別する細胞と「かん体」という光の明るさを感じる細胞いう細胞です。
「すい体」と「かん体」は、どちらも光受容細胞のひとつです。
このすい体とかん体が、光刺激を電気信号に変えて、脳に映像を伝えています。
ちなみに、色覚異常はこのすい体に異常があることで引き起こされるものです。
色覚異常の中にも種類があり、どのすい体に異常があるかでその名称と色の見え方が違ってきます。
その錐体の種類とは、赤・緑・青の色の光に反応する「すい体」です。
この3色の光にそれぞれ反応する3種類の錐体があります。
これらの情報から、人間の脳はそれぞれの色を認識し、視界に色を与えて処理しています。
ちなみにカラスなどの一部の鳥類は、赤・青・緑などの3色だけでなく、「紫外線」も含めて4色を見ることができるといいます。
逆にイヌやネコなどの人間以外の哺乳類は、色の識別は2種類までといわれています。
光の色と物体色
色とは光です。
しかし、わたしたち人間やリンゴやみかんまでもがそのまま光を放っているわけではありませんよね?
色にも「光」による「光彩色」と「モノ」による「物体色」があります。
太陽や電気・雷などは、それ自体が光を放っています。
そのため、電気のプラズマや太陽の「色」は「光の色」なのです。
それに対して「物体色」というものがあります。
実はこの物体色は、ある「モノ」が光を吸収し、吸収できずに反射した色が見えているのです。
例えばリンゴです。
リンゴは、赤以外の色を吸収し、赤だけを反射しているから赤く見える性質を持ちます。
どういうことか不思議に思った方もいるでしょう。

赤以外の色を吸収しているってホント?
他の色はどんな色があるのかな?
と疑問に思う人もいると思います。
光は「赤・青・緑」の3つの色でできており、これを【光の三原色】といいます。
そして、リンゴは赤以外の色を吸収しているので、リンゴは青と緑の色を吸収し、だからこそ赤に見えるといいかえることができます。
しかし、暗闇の中では色はみえません。
シルエットもわかりません。
これは、物体が光源を持たず、光が反射されないため、わたしたちの目に届かないからです。
光の種類

光は電磁波の一種です。
電磁波の中でも、人の目に入るものを「可視光線」、耳で感知できるものを「音」といいます。
この他にも、電磁波のなかには、「宇宙線・ガンマ線・エックス線・遠赤外線・ラジオ電波」などがあります。
光は波でできており、この波の繰り返しの幅(波長)によって、見える色が違ってきます。
波長の長さが400〜700nmの帯域は「光」。
100km~を「音」として、わたしたちは認識しています。
まとめ
- 光は色でつくられる
- 光は光源色と物体色がある
- 色はの分類は色相・明度・彩度の3つ
- 配色方法は、彩度を揃える・色相を揃える・使う色数を制限するなどがある
- 基本的に配色はベース・サブ・アクセントの3つ
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